2022年 6月3日~26日 [毎 金・土・日曜日 開催]
新緑のみずみずしい季節となりました。
皆様におかれましては、ご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、Art Gallery 目白山では、日展をはじめとする数々の陶芸展に入選し、美術館での出品歴も多い、村山恵子の陶展を開催いたします。
視覚ばかりでなく触覚にもうったえる陶芸。今回はその魅力を存分にあじわっていただきたく、新作を含む数多くの作品を展示いたします。
愛知県田原市に生まれた村山は、20代の頃、偶然出会った陶芸作家の作品に一筋の光を感じ、都内で「日本陶芸美術研究所」の看板を目にするやその足で入会。
京都の団体展「女流陶芸」で、同じ志を持つ人々の集まりに魅了され、毎年のように出品を重ね、日本陶芸展、朝日陶芸展、長三展などの公募展にも積極的に出品してまいりました。
現在は、日本新工芸家連盟、日展に所属し活動しております。
粘土を捏ねり成形し、焼く…その過程に思いを馳せ、作家との対話もお愉しみいただければと思います。
皆様のご支援とご来廊を心よりお待ち申し上げます。
Art Gallery 目白山
作家からのメッセージ
Art Gallery 目白山を最初に訪れたのは小春日和の温かな一日でした。
1 階からの螺旋状の階段を上がると左にテラスがあり、庭の木々の間から木漏れ日が…
鳥がさえずり、そして、葉のすりあわせたような音色。こんなギャラリーがあったのだと…
個展を開かなくなって久しく、公募展ばかり追いかけていて、原点に戻った一日でした。
20 代の頃愛知県で不思議に出会ってしまった陶芸の世界。陶器といえばお茶碗やお皿(磁器)という感覚しかなかった私に大げさに言えば頭の中に一筋の光が走りました。その作家の方は粘土で作る形・色・窯など色々説明して下さり、陶芸をしたかったらもう一度尋ねて来るようにと…
若かった私は行けませんでした。
ある時、明治通りのビルに「日本陶芸美術研究所」と書かれた名前を見つけ、その足で入会しました。それが私の陶芸の第 一歩でした。
そして数年が過ぎて、「女流陶芸」という公募展に出会い京都という地名、そして毎年同じ志を持つ人たちの集まる団体展の魅力を感じて出品するようになりました。その一方で日本陶芸展、朝日陶芸展、長三賞などの公募展にも積極的に出品するようになり、現在は日本新工芸家連盟に所属、日展に出品しています。
今から 40 年前、神奈川県伊勢原市に「源大夫窯」を築窯。
もともとガーデニング好きな私は庭に植物を植え「ギボウシ」の収集に走り、作陶の最中アトリエと庭を行ったり来たり。そんな環境の中で教室を開くことになり、陶芸好きな人たちが集まるようになりました。陶芸家を志したことはなくただひたすら粘土に触っているのが、心地よく時間を忘れたものでした。 師を持たず周りの先生方に、ご講評を頂きながら次の作品に生かしてまいりました。
現在は、華をテーマに花びらが飛ぶような世界を表現した「華翔」、
暗い部屋で目を閉じると現れる時空の世界を表現した「時空」シリーズを制作しております。
今回の作品は、新作と前に制作した作品を展示しています。
手に取っていただけたら幸いに存じます。
村山 恵子