村山 之都 

湘南 Water Colors First wave

7月1日~31日 [毎 金・土・日曜日 開催]

梅雨のぐずついた天気の中、湘南は夏を前に静かな興奮に満ちてきました。
皆様におかれましてはご清栄のこととお慶び申し上げます。

7月のArt Gallery 目白山では、画家・村山之都(むらやましつ)による水彩画展を開催いたします。タイトルのように今回は、海辺に集う人々の光景を、透明水彩という淡く、ときに澄んで、ときに余韻を残すという多彩な表情を見せる画材で描いた絵画をご覧いただきます。タイトルの「First wave」には、この時期に例年開催し、シリーズ化したいという思いを込めました。

一見爽やかな村山の水彩画に、わたしたちは一目で惹かれます。しかし彼の水彩画の魅力は、心地良く眺めている画面の中で、次第に見えてくる、あえて曖昧になっている空間、そこに、込められた登場人物の心情や出来事の背景、時間の流れを想像するたのしみとも言えるでしょう。

1969年、北海道旭川市に生まれた村山は、早稲田大学第二文学部で社会学を学び、1992年に卒業。数年を経て武蔵野美術大学に入学し、2001年に絵画科を卒業、2003年に修士課程を修了しました。多年に渡るあかね画廊での個展をはじめとして、都内、故郷北海道、その他各地で個展・グループ展の実績があり、2013年にはホルベインスカラシップを受賞。2019年にはNHKの連続テレビ小説「なつぞら」の劇中絵画制作を担い、実在した画家・神田日勝に代わり、北海道の自然や酪農を描きました。絵画指導にも定評があり、東京工芸大学や上野の森美術館アートスクールにて講師を務めています。

村山は水彩について、油彩との違いとして、「絵の具を置いた瞬間に表現をある程度手放してしまえる」。「水と紙の偶然性に任せてしまえる緩衝地帯がある分、水彩は共同作業という感覚」とも語っています。

湘南・片瀬江ノ島に吹く夏の風、余暇に浸る人々が醸す高揚感、その軽やかな空気を感じながら目白山ギャラリーにいらしてください。村山自身も偶然から生まれる表現をたのしんで描いた水彩画の数々が、この季節のこの土地との親和性によってさらに豊かな表情を見せてくれることでしょう。

皆様のご支援とご来廊を心よりお待ち申し上げます。

Art Gallery 目白山

村山 之都(むらやま しつ) プロフィール

村山 之都

東京工芸大学非常勤講師

1969年 北海道生まれ

1992年 早稲田大学第二文学部社会学専修卒業

2001年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業

2003年 同大大学院造形学研究科油絵コース修了

  • 2005年  個展(時計台ギャラリー/札幌)
  • 2009年  個展(新宿眼科画廊/東京)
  • 2010年  かなた Art Circulation
    (小樽市美術館/北海道、~‘13 )
    ビエンナーレうしく
    (牛久市生涯学習センター、’12,‘14)
    上野の森美術館大賞展
    (上野の森美術館、~’13,’16,’17)
  • 2011年  Nomadic Circus Troupe (北海道近代美術館)
  • 2012年  Magnetic Field Resonance-磁場共鳴-(GALLERY YUKI-SIS,東京)
  • 2013年  えねるぎぃ ふぉ あす
    (ヒルサイドフォーラム/東京)
    Japanese Emerging Artists (B&D/ロンドン)
  • 2014年  個展(NICHE GALLERY/東京)、Ezotic Art
    (東京都美術館)
  • 2015年  個展(Nanatasu Gallery/東京)、
    ホルベインスカラシップ選抜展
  • 2016年  A plus viewing 01 – For the city of heritage
    (旧田中家住宅,川口)
  • 2017年  個展(Nanatasu Gallery/東京)
  • 2018年  個展(たましんギャラリー/東京)、個展(gFAL/東京)
    美術と街巡り・浦和(うらわ美術館)
  • 2019年  個展(あかね画廊/東京、‘16〜毎年)
  • 2020年  個展(ギャラリー喫茶邁里夢/旭川)

その他

  • 2013年  ホルベインスカラシップ
  • 2019年  NHK連続テレビ小説「なつぞら」絵画指導/
    絵画制作