THE SOMETHING 杜の輝き… 中村 文俊

2023年4月1日(土)~30(日) 11:00-17:00 毎週 金・土・日 開廊

※最終日 4月30日(日)は15時閉廊 

4月のArt Gallery 目白山では、本年の第58回日動画廊 昭和会展 昭和会賞受賞者である、中村文俊の個展を開催いたしました。

中村文俊は1993年に神奈川県に生まれました。2013年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科に入学、2017年に同大を卒業。さらに研鑽を積むべく、同大大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コースに進学。この年のうちに、第13回世界絵画大賞展の協賛社賞を受賞、神山財団芸術支援プログラムの第四期生となり、守谷育英会の修学奨励賞受賞に加え、理化学研究所展示プロジェクトにも参加するなど、精力的に活動すると共に、それにふさわしい評価を得ていきました。翌2018年の第14回世界絵画大賞展においても協賛社賞を受賞し、日動画廊で開催された第5回「未来展―美大の競演」への出品も果たしています。翌2019年、武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了に際しては、修了制作が優秀賞を受賞。そして2021年、シェル美術展に入賞、また雪梁舎美術館主催による50歳以下の作家による具象画を対象とした、第23回雪梁舎フィレンツェ賞において、フィレンツェ美術アカデミア賞という輝かしい賞を手にしました。翌2022年にはCharm cara corporation アートギャラリーホームへの作品委嘱、また第56回日動画廊昭和会展で入選。本年は同展でのグランプリである昭和会賞の栄誉に輝きました。

染みていく

中村文俊の作品の細部まで描き込まれた風景には、それとしては普遍的であるのにも関わらず、どこか不安を喚起する事象、明らかに不穏な出来事、しかしまた、普通とも思える光景が交錯し、一つの画面の中で日常のあらゆる事象が多重奏を奏でています。それが不協和音に終始しないのは、中村文俊の卓越した画力と、ペンギンに象徴されるユーモアを交えた表現によるものと思われます。筆致がたどれないほど緻密に描きこまれた、中村文俊の濃密な絵画世界をおたのしみください。